イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《22》真の目的

悠真side~

「これで誰がスパイか…分かったな」

我々の買収の契約内容は『王龍社』に筒抜けだった。

莉人は支社内に『王龍社』のスパイが居ると考えていた。


無断欠勤した支社長秘書の紅蘭がスパイだと断定し、今後の対応について支社長たちと話し合いが行われていた。


俺の隠しポケットの中のスマホが振動し、ピカピカと光る。


「悠真・・・今は会議中だぞ。マナーモードにしておけよ」


俺は一応、スマホを取り出し相手を確認した。

通話の相手は菜穂・・・


「すまない。少し席を外す」


顔を顰める莉人に謝り、廊下に出た。



「どうした?菜穂」


―――――あああ、あの・・・


菜穂にしては随分と慌てた様子で呂律が回っていない。


「どうした?」


―――――私よ。紅蘭よ。周防社長


「!?」


一瞬何が起こったのか…分からなかった。


「どうして・・・菜穂と紅蘭が一緒に居る?」


――――――コンサルタントの草壁さんも一緒です。周防社長





< 197 / 235 >

この作品をシェア

pagetop