イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「倭人は?」


「そこに居ますよ」

悠真さんはこめかみに手を当てながら、起き上がって倭人さんを見た。

「倭人…怪我は大丈夫か?」

「大丈夫じゃないですよ。早く…病院に行かなきゃ」

悠真さんは壁に凭れれかかった倭人さんの元に近づいた。

「くそっ。ヤン警官も紅蘭の仲間だったのか…油断してしまった」

「どう言うコトですか?」

「紅蘭はマフィアの幹部の一人だ。お前らの命と引き換えに身代金3億、『インターナショナル香港』の買収話から手を引くコトを要求して来た。そんな時に、ヤンという私服警官が現れて・・・俺はまんまと騙され、お前らと同じで捕まっちまった」


「…紅蘭さんは周防会長に私達3人を殺すよう頼まれたと言ってました」


「会長がっ!?」


悠真さんの驚きの声が地下室に響く。


「莉人の為だな・・・」


倭人さんが呟くと悠真さんの瞳が翳っていく。


「莉人の為に、邪魔者は全部消すってコトか・・・」

「お前らだけ…でも逃げろよ」

「倭人お前をおいては逃げられない!」

「俺は怪我人・・・足手まといなるだけだ・・・」

倭人さんの声は苦しげで息遣いも荒い。





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