イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~

悠真side~

病室から菜穂を追い出して、次郎叔父さんは椅子に腰を下ろした。


「日本からわざわざから来るなんて…何かありましたね」

父が亡き後、俺の教育係となった次郎叔父さん。

気性が荒かった三郎叔父さんとは対称的で寡黙なタイプ。

でも、気難しく真面目で融通が訊かなかった。



「三郎が自宅の庭の木で首を吊り自殺した。帰国した莉人が第一発見者だ。死因が死因だ。葬儀は家族葬で終えた」


次郎叔父さんは淡々と低い声で俺に言った。


「莉人は?大丈夫なのか?」


俺達の始末に失敗し、追い詰められたと言うコトか。


「莉人が気丈に喪主を務め、社長に就任する為の準備を始めている」











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