イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~

菜穂side~

買い物を終えた私達は新宿駅東口のコインロッカーに足を運んだ。


「ゴメンなさい。吹雪さん」


「構いませんよ」

私は延滞していた分の料金を精算し、ロッカーのドアを開けた。


「荷物ってこれだけ?」

私の私物は全部一つのトランクに収まっていた。

「このトランクとクマのぬいぐるみが私の全私物」

1年半前は施設のお友達の亜由子さんとシェアして大久保の2DKマンションに暮らしていたが、突然彼女は姿を消してしまった。私だけの稼ぎでは家賃を払えず、滞納し、追い出された後はネットカフェを転々としていた。

「大事そうに持ってるね・・・クマのぬいぐるみ」

「あ・・・兄からのクリスマスプレゼントだから・・・」

「へぇー」

「名前はゆーたん」

「ゆーたん??ふうん」


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