イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
13時前に私達の住む部屋の真上にある高級レストランに到着。

窓際の予約席の立て札が置かれたテーブルで悠真さんを待つ。


吹雪さんは悠真さんが来るまで私の座る椅子のそばに立ち、一緒に待ってくれた。


「吹雪さんはお昼どうするんですか?」

「適当に食べますから、心配しないで下さい」

レストラン内は満席で、女性同士のお客様が多いのには驚いた。


「ディナーコースは高いですが、その分、ランチコースはリーズナブルに楽しめるよう設定されているので、セレブマダム達には人気なんですよ」


「へぇー」


「来ましたよ」


悠真さんはスマホを弄りながら、慌てた足取りで私達の元に来た。


「待たせたな…急な電話が入って、遅れた。すまない」


「いえ」


「では、俺はこれで失礼します」


「この後、俺と菜穂はスイートルームに行くから、夕方まで自由にすればいい」
スイートルームって…


「え、あ…承知しました」

吹雪さんは面を食らったような表情をしたが、気を取り直して返事をし、出入り口に向かった。


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