相沢さんは漫画家でした。
プロローグ



「あーー!もう!!あんたって本当に顔だけの男だな!!!」


彼女の声が甲高く部屋に響く

「な、んだよそれ」



付き合って約5ヶ月半

なんだかんだな長かった気もするが



「もういい、別れよ!」



こんな簡単に終止符がついてしまうもんなのか



「なっ、そんなのこっちから願い下げだ!
お前みたいな女もう散々だ!!」


俺なりの精一杯の言葉で彼女にぶつけた



い、いってたやったぞーーーっ!


ずっと言えなかった言葉が口に出せた
なんという開放か

バシン!!!!!


「ングっ?!」

勢いよく彼女の手が俺の頬を叩いた


叩いたとかそんな可愛いもんじゃない

ぶん殴ったと言う言葉がお似合いだ


「ふんっ!」


バタン

颯爽と彼女は玄関から立ち去った


ヒリヒリと痛む頬を抑えながら

玄関に向かって俺はつばを吐いた


「べーーーーっだ!

お前みたいな背が高くて下品で派手で馬鹿力な女、


大ッ嫌いだーーー!!」



高校二年生、夏 人生初の彼女とはあっけらかんに終わった

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