水曜日の片想い
「キミはそのままでいいと思うよ」
風に吹かれて今すぐにでも飛んでいきそうなくらいの軽い声だった。
そのままって………何もできない情けないわたしのままでもいいってこと?
急にそんなこと言ってくるのは、わたしが橘くんの好みの人になろうと企んでたのがバレたから?
それってわたしが橘くんに恋をしていることも自動的に知られちゃったんじゃ………。
「今更男ウケ狙っても変わらないだろ」
「男………ウケ?」
橘くんの好みの女の子のタイプを聞いた理由。
もしかして……一般男子の好みを聞いたと思われてる?
わたしががモテたい願望もってる肉食系女子だと勘違いしてるんじゃない??
「ちっ、違うよ!別にモテたいとかそういう意味じゃなくて………」
いくら好みのタイプがないとはいえ、恋愛にガツガツいく女の子はどちらかといえばマイナスなイメージが強いだろう。
これから橘くんを攻略していくなら少しでも悪いイメージは持たれたくないのが本音だ。
「それなら、なんの意味があったんだ?」