嘘つきな唇
舞い散る舞い上がる



ふと目を覚ますと、まだ隣で眠る大河の姿を見つけて安心した。



裸の彼の胸を隠すようにシーツをたくし上げてその胸に頬を擦りよせると、くすぐったかったのか、大河はくすくす笑いながら目を開あけた。



「真里奈、くすぐったい。」



「だって、大河ったら寝ちゃってるんだもん。


時間、大丈夫なの?」



寝室の壁にかけられた時計に視線を移しながら聞くと


大雅は小さく頷いた。



「まだ終電に間に合うな…」


「こんなに頻繁に残業なんて嘘をついて可愛い彼女は怒らないの?」


皮肉交じりに聞くと

大雅は私の頭を軽く撫でながら「誰かさんと違って、嫉妬深くないし、束縛もしないからな」と笑いながら嫌味を返して来た。




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