ノイジーマイノリティー
セルフサービスのお店だったので
先に会計を済ませ食べ始める
さっきまでの不安は
すっかり消え失せた
なんて単純な自分なんだろう
水菜と豚肉のうどんに
お稲荷を選ぶ
量もちょうどいいし
お稲荷もそれなりに美味しかった
食べ終わると
周りが見え始めた
色んな人が食事をしていた
年配の親子
親子三代で食事をしている
人達もいた
聞こえてくる話の内容から
両親の見送りみたいだ
子供達は
遊びに連れて行ってもらった帰りらしい
子供達は楽しそうに
親の横で
買ってもらったおもちゃで遊んでいる
親と両親は帰りたくないのか
楽しそうに話をしていた
その姿に自分の家族を思いだした
今のアパートから
歩いて十分ほどの家に
両親はすんでいて
時々、晩御飯をごちそうになる
週に三度ほど
一人っ子なので
大事にしてもらっている
でもそれがちょっと嫌で
ハルと出会ったころは
あまり帰らなかったっけ
仕事も忙しく
ハルに夢中だったからだ
所が彼が
東京に行ってしまったので
だんだん
実家に出入りすることが
多くなった
仕事もなれてきて
時間ができたこともあったが
ハルのいない毎日が寂しくて
親に甘えに行った
両親も嬉しかったらしく
食事をして
部屋に戻る私に
気持ちよく送りだしてくれた
あんな家族だできたらいいなと
不意に思った