ノイジーマイノリティー



「安心して」



そう続ける



私がそう言うと



彼は再び



私をきつく抱きしめる



道路を走る車の音



街の雑音



全てが素敵な音楽の様に



耳に流れ込んでくる



瞼を開けて



彼の胸から見つけた景色



夜の青に溶けて



沢山の色の光が輝く



そして



少しクセのある髪の



彼の頭の上に見える



空には星が輝いていた



彼の腕の中から



見つめる世界は



こんなにも美しくて



愛おしい



「判った、我慢する。」



そう言って彼は



私から躰を離した



でも、手は握ったまま



私の手を引いて



私の隣に並ぶ



「行こう」



うんと頷く私



二人で歩き出した



私たちはお互いに



逢えなかった時間を確認するように



話をした



ハルの今の仕事に話



私の名古屋での話





スタジオに戻り



ハルのリハーサルの見学を



している以外は




ずっと話をつづけた







ハルが連れていってくれた



レストラン



スタジオから歩いてすぐの所にあった




ビルの間にある



小さな一軒家のレストランだった



お店の中は



柔らかな照明で照らしだされ



木のテーブルが並んでいた



店の奥に大きな窓がある



小さなスペースがあって



そこに通された





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