今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
第1章

お婆ちゃんの家









『小雪!小雪!いい加減起きてちょうだい!

 早く支度しないとお婆ちゃんの家に行けないよ!』






慌ただしいお母さんの声がしたかと思うと、ベッドの右にある窓のカーテンを開けたからか、そこから眩しい光が差し込んでくる。




お母さんの声は無視できるけど、この眩しい程の光には耐えられずに目を開く。










『……………………』




目を開き、辺りを窺うと、そこは見慣れた自分の部屋。



天井のライトも私が無理におねだりして買ってもらったもの、左に目を向けると可愛らしい白い学習机……










『あ、小雪、やっと起きたのね!

 もう早く支度してちょうだいね!

 小雪の支度が終わったら車でもう出発するからね!』





お母さんの声がする方へと目を向けると、怒った様子で私を見つめるお母さんの姿ー……








『…………お母さん………工場は?男の子は?老夫婦は?お母さんと女の子は?』






お母さんを呼びかけると同時に、私はお母さんに今まで見たものを順に問いかける。



けれどお母さんは不思議そうに私を見つめ、




『工場?男の子?老夫婦?お母さんと女の子?』



と、逆に私に問いかけてきた。







お母さんの問いに私は押し黙る…






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