今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『楽しみだなー。

 一時にね、結城君が迎えに来てくれるんだよ』





ふと時計を見ると、12時40分。



もう少しでお皿洗いも終わるし、そうしたらメイクを直しに行こうっと!








……と、思っていたんだけど。




『ごめんくださーい』


と、玄関から結城君の声が聞こえてきた。







え、もう来ちゃったの…!?


出来ればメイクを直したかったのに……








私は慌てて水で洗剤を流し終えたお皿を水切りに置き、手をタオルで拭きながら玄関に移動した。









『お、小雪!』





さも当たり前のように結城君が私の名前を呼ぶ。








『早かったね。まだ一時までもう少しだけあるし、私ちょっと……』





メイクを直しに、なんて言えないな………









『あー無理無理。てか、もう駅に着いちゃったんだって。

 さっき連絡あって、だからもう行きたいんだよね、俺』






結城君はそう言うなり、私の手を掴み、そして引いてきた。










『………え……あ、メイク……じゃなかった、えっと鞄…!』





思わずメイクって言葉が出ちゃったけど、違う違う。



メイクも直したいけど、うん、鞄だ、お財布とスマホを入れて……









『あーいらないいらない。

 今から会う奴はすぐに帰るから』






………へ?




横浜から遊びに来てくれるんじゃ………






え、すぐに帰るの?










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