ハロウィン・パーティー!?~ゾンバス番外編~
 3人の注目を浴びる明美は、いつもの長い髪はまとめ、その上にブロンドのショートヘアのカツラをかぶり、中世ヨーロッパを思わせるアイボリーのチェニックを着込み、下は腿下ギリギリの淡い紫色のキュロット。その下には腿までの黒の短いスパッツを穿き、ふくらはぎまでの長いブーツを履いていた。  
 パッと見、男の子のようにも女の子のようにも見える中性的な印象で、とても魅力的に仕上がっている。

「ひとみちゃん力作、ジャンヌ・ダルク~」

 いつも身に付けている細剣を腰にかければ、ますます本格的! ひとみが会心の笑みを浮かべる。

「ひとみも明美も……かわいい!」

 今にも飛び掛ってきそうな狼男(聖)。

「似合ってる」

 バンパイア(和己)もそれは認めてくれたらしい。

「あ、あんまり見るな! 恥かしい……!」

 しばらくは自分の格好が恥かしくて、仲間の顔も正視できなさそうだった。
 それなのに明美の前まで来た聖が、目を輝かせてまじまじと見ている。

「うーん……俺、明美が男でも惚れてたな」

 あごに手を添えて、なにやらいやらしい笑みを浮かべながら感心している。

「そんな顔して見るなってば!」

 顔を真っ赤にした明美が、両手で足を覆うように隠しながら文句を言う。

「そのすらっとした足、たまんねぇ」

 明美のスラリとした足を、下からじっくり舐めるようにねっとりとした視線で見ている。

「こ、このエロオヤジー!」

 その視線に耐え切れなくなった明美のパンチが、すかさず聖に炸裂!

「きゃー!」

 聖の頬をしっかりとえぐるように捉えた。

「うう……明美たん、いちゃい……」

「明美たん、言うな! あほう‼」

 聖のおかげで恥かしさは消えたものの、怒りは収まらない明美は腕を組んで、気持ちを静めるように大きく息を吐いた。
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