僕があの子を好きになっても良いですか?







おばあさんは無事に救急車に乗れた

だけどすぐに苦しくなって来た

やっぱり行かなければ良かったと後悔した




そんな僕をあの子は助けてくれた

同じ制服だったから始業式へ行かなくてはいけないはずなのに

時間も気にせずに救急車を呼んでくれた




あの時は苦しくて熱かったから

お礼をまともに言えなかった




2日後

僕は同じクラスにあの子がいることを知り

黒木美夜という名前も知った




だけどあんな通りすがりでかっこいい真似しておいて

結局は自分もぶっ倒れたなんてこと

あの子は覚えていないと思ったから

その上あの子は成績面でも見た目面でも目立つ人だったから

話しかけることなんて出来なかった




だけど

今は近くにいる気がするんだ



あの日と同じく

自分が酔っているにも関わらず

あの子に薬を渡してあげたり



樹と小谷さんがじゃれ合っているのを見て

「お似合いだね」って笑い合ったりもした







< 146 / 203 >

この作品をシェア

pagetop