僕があの子を好きになっても良いですか?







「樹っ…!」



萌が嬉しそうに声を上げる

ちなみにクラスで萌と柿沢くんが幼馴染なのは有名だから

お互い下の名前で呼んでも皆勘違いしない

…まぁ勘違いじゃないんだけどね




「さっき聞いてきたんだ
今日早退するのかって」


「…柿沢くんストレート…」


「そうしたら今日は大丈夫だとよ
熱もないし具合も悪くないって

あのまま午後になってくれたら大丈夫だよ」


「わざわざありがとう…柿沢くん!」


「…それだけだから…じゃ」




柿沢くんはフイと手を挙げると

自分の席へ戻ってしまった




「…萌ー?萌ってばー!」




萌を見ると

緩みきった隙間ありありの顔をしていた

漫画だったのなら天使が頭上をラッパを吹きながら舞っていたことだろう





「…楽しみだね
自然の森行くの!ね?萌!」


「楽しみ~!」








ずっと夢見てたんだ

白羽くんと一緒にどこかへ出掛けるの

それが叶うなんて





夢なら覚めないで――――ッ!!








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