闇桜〜銀色のキミに恋をした〜

▲信じてもいい?▲





「奈緒」


「え……」



急に名前を呼ばれて顔をあげたら、気がつけば抱きしめられていた。


……どうして?


今、あたしを隠す必要なんて、ないじゃない。



「諒真、さん……?」


「どうやったら、笑うんだ?」



え?


いきなりのことに、きょとんとしてしまう。



「どうやったら……お前は人を信じる?」




『信じる』


その言葉は、あたしに不安と恐怖しか与えない。



信じては、裏切られ。


裏切られては、また信じて。


そして裏切られる。



あたしの人生、その繰り返しだった。

< 80 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop