闇桜〜銀色のキミに恋をした〜


やめてよ。


こんなに温かいと、離れたく、なくなるじゃない……



「俺はお前を裏切らない。最後でいいから、もう一度だけ、信じてくれ。絶対に……守るから」


「っ…何で、よ……」



止まらない涙が、彼の服を濡らす。



どうして、あたしなんかを守ろうとするの?


【睡嵐】から見たら、ただの敵でしょ……?



「分からねぇ……でも、お前を変えたい。笑わせてやりたい。心から」


「何、それ……意味分かんないし…………」


「俺も分かんねぇ。こんなの、初めてだ」



あたしを抱きしめる諒真さんの腕に力が入る。



あたたかくて、あたたかくて。


離れたくないと思ってしまう。



あたしは……おかしいのかな?


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