闇桜〜銀色のキミに恋をした〜



「可愛い子はっけぇ〜ん♪」


「は?……っきゃ!?」



腕を急に引っ張られて、バランスを崩して倒れ込んでしまった。


その勢いで諒真さんを押し倒す形になって、諒真さんの顔が近くにある。



「っ……!」



心臓が早鐘のように打つ。


急いで離れようとしても、腕を掴まれていて思うように動けない。


完全に酔った諒真さんの目は据わっている。



「あれぇ〜?積極的だねぇ〜?」


「離してよこの酔っ払い!!」


「だめ〜♪」


「な……わぶっ!?」



ぎゅううっと胸に押し付けられ、呼吸困難。


く、苦しい……!!


この人絶対これがあたしってこと忘れてる!!



「なんか甘いの食いたい〜。食っていい?」



あたしを抱きしめたまま尋ねてくる。


甘いのって……チョコとか?


お酒にチョコって聞いたことないけれど、確かあたしのバックの中に入っていた気がする。



「分かった。今持ってくるから離し……」



最後まで、言えなかった。


< 92 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop