幸せの定義──君と僕の宝物──
夕べ、ユウはレナのお腹を撫でながら心配そうな顔をした。

「オレが留守の間、大丈夫かな…。レナ一人の時、もし急に産気付いたらどうしよう…。」

「多分大丈夫だよ、ユウ。予定日まであと10日もあるし…。初産だから、そんなに早くはないと思う。」

「そんな事言って、佐伯だって初産で予定日より随分早くなかったか?しかもシンちゃんが留守の時だったろ?オレはもう心配で…。」

心配だから行かない、とでも言い出しそうな勢いで、ユウはレナを抱きしめた。

「じゃあ、この子に言い聞かせとく。パパがいないうちは、まだ出てきちゃダメだよって。」

「聞いてくれるかな…。」

あまりにもユウが心配するので、`ALISON´がライブイベントに行っている間、リュウがいなくて一人ぼっちになるハルに泊まりに来てもらったらどうかとレナが言い出して、ユウはリュウに電話をした。

「いざって時、ハルじゃなんの役にも立たねぇと思うけど…いいのか?」

「一人きりよりは安心だよ。それにリュウもハルちゃん一人きりにさせるの心配だろ?」

「まぁ…そうだな。じゃあ、明日行かせるわ。たいした事はできねぇと思うけど、家の手伝いさせてくれって片桐さんに言っといて。」




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