漆黒の破片 II
「おー!奈々〜!やっほー!」
いやいや、菜摘さん?連れ出しといて
マイペース過ぎるでしょ〜。
自分の心の中でツッコミをしていると
さらちゃんが菜摘の影からひょこっと
顔を出してきた。
「奈々さん!良かったらこれ、
食べてくださいっ!」
さらちゃんが私に渡した小さい袋の中
には美味しそうなクッキーが!
チョコチップやマーブル模様など…
「美味しそう!ありがとうさらちゃん」
「喜んでもらえて良かったです!
また作ってきますね〜!」
さらちゃんの笑顔は天使みたいで
すっごい可愛くて………!
「さらー?私には?」
「お姉ちゃんにはないよ?
だっていらないって言われたもん。」
「え!そうだった?………あ、
言われたかも…………」
菜摘はうーんとうなだれてさらちゃんに
クッキーを作ってもらえるように
説得していて…………
ちょっと………笑えるかも……
「ふふっ」
「ちょ!何奈々わらっちゃってるの!」
「ん〜?笑ってなんかないよー」