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一組目
春も公園の桜がすべて散る頃。

何処からか怒号が響き渡った。

「あんたね!いつまで私の通帳からお金引き出すつもり?!」

甲高い女の声。

その声に紛れ、ボソボソとした男の声も聞こえる。

「そ…それは…」

「それは、なによ?!」

女の怒鳴り声で公園にいた鳩はすべて逃げてしまった。

素晴らしい風景をつぶすとは…

この女、なかなか面白い。

「俺が就職つけるまで…待って…」

「それが、いつになんのか聞いてんのよ!」

ぱしんと乾いた音が響く。

俺は自然と顔が綻んだ。

ああ、こんなカップルを結ばせたらどんなに楽しいことだろう。

ーーパチンッ!!

さあ、ゲームスタートだ
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