BLUE‐PRINCE



というか……朱架はどこに行ったんだろう。



「ねぇ、南君っていつもここにいるの?」



僕の前に身を乗り出し、玲奈が聞いてくる。


なんでそんなこと聞くんだろう?


意味が分からない。



「……いるけど?」


「じゃあ、私も明日から来ていい?」



……朱架は、女子の話し相手がいるほうが気が楽なのだろうか。


いじめられていたと言っていたけれど、僕がいれば大丈夫だろうし。


僕は少し考えてから、頷いた。



「ありがと!じゃあ、明日から来るから♪」



満面の笑みの彼女は、僕に手を振って屋上から出ていった。


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