ただ、それだけ…
背筋がゾクッとなった。
血の気がサーッと引いていった。
「何やってんの……?」
そこには今にも泣きそうな顔の純が立っていた。
「…純……………」
胸ぐらを掴んでいた手を緩めてしまったせいか、村上はその場に倒れこんだ。
「…村上さん、大丈夫ですか」
純は俺のそばで倒れている村上に近づいた。
頭が真っ白になっていた。
ハンマーで殴られたかのように、頭の中がグラグラしていた。
「村上さんは行ってください」
『でも………』
「大丈夫ですから。ちゃんと手当てしてください……」
純がそう言うと、村上はよろよろと行ってしまった。
「かなちゃん…。何があったの…?」
純が俺をジッと見つめて言った。