腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ

その24。ミウ

菅原先生は寮の前まで車で送ってくれる。
さっきのいろいろなキスで私の思考はとまったままだ。
ものすごく恥ずかしい。
オトナのお付き合いはこんな事の積み重ねなんだろうか?
自分の鼓動がものすごく大きく、速く、聞こえてくる。
菅原先生は落ち着いた顔をしている。
やっぱり、オトナのオオカミだ。
出会って、半年で身体を重ねるのが早いのか、遅いのか
ちっともわからない。
でも、とりあえず、後、1ヶ月くらいは一緒にいてもらえるって事らしいので、ホッとした。
菅原先生は私の事が好きらしい。
こどもは相手にしないっていうルールを破っている。
まあ、しおりんみたいな女の子なら、子供じゃないかもしれないけど、
私はいちいちドギマギして、慌ててしまう。
お子様だ。
きっと、このお付き合いが終わってしまっても、
きっとオトナのオンナにはなれないんだろうな。
と、そっとため息をつくと、
先生が私の顔を見る。
「僕と付き合うのは嫌?」と聞いてくる。私は
「いっ、嫌じゃありません。お付き合い出来て、うれしい。です。」と言った。
先生は私にあんな風にキスしたくせに、なんで私が嫌がっていると思うんだろう。
「…嫌だったら、ちゃんと、嫌だって言えますけど。」と付け足す。
先生は少し息をついて私の顔を覗く。
バツイチオオカミはなぜかちょっと、自信のない顔だ。


寮の前で、車を止めてから、私の額にキスをして、
「早く抱きしめて、眠りたい。」と耳元で囁いた。
私は上手く返事が出来ずに俯くと、先生は、
「毎日待ってるから、ちゃんと、部屋に来て。
1月末まで襲わないから。」といってくれた。
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