Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

廊下を掃除する。

私立なのに、掃除がある。



だけど私以外、誰も床拭きしない。

先生が来たら、「もうしましたー」って誤魔化しちゃうんだ。

掃除のおばちゃんもいるのが分かってるから…



ユリエちゃんが、真剣な顔を近づけてきた。

「いい?今度の練習試合の後に打ち上げやるから」

「う、ううん?」

「みんな、試合の後は疲れてオッサンみたいになってるから、キヨが差し入れを持って現れれば、絶対に落ちる!!」


どこかで聞いた話だなぁ。



「それ、ユリエちゃんが去年やった作戦でしょ…」

「そうだよ!これで落ちなきゃオトコじゃない!」


ユリエちゃんはこの作戦で、3年生の先輩と付き合ってた。

高等科に行ったら別れちゃったけど…。


「すごいなぁ」

「もうキヨはぁ、すごいなぁじゃないよ」

「だけど、すぐテストだからお母さんが…」

「それは何とかしないと!」

「出してもらえるかなぁ」
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