Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「田舎の両親を無理やり上京させて、子供の面倒を見てもらって、お祖母ちゃんは今の学校で働き始めたの。

両親は辛かったはずです。友達も知り合いもいないんですから。

あっという間に、父が体調を崩して長期入院。

あの頃のことは、思い出したくもないわ。

いつもお金の心配をして、車の中で食事して、仕事、子育て、介護…ただ意地だけで生きてた。


だけど、母も倒れて…もう、どうしていいか分からなかったわね。


子供の世話をする人もいない、

一番上のお兄ちゃんがもう大学に受かっていたのに、

そのお金を用意できそうにない…。

完全に負けた…と思いました。


バチが当たった…って。


ところが、弁護士さんから電話が掛かってきて。

『遺産相続の件でお話があります』って言われたの。


前の奥様が亡くなって…遺産を…私の名義で…」


お祖母ちゃんの声が途切れた。
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