Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

手紙

「食事を見せないで!!」

私は怒鳴った。


慌てたように、チャイが逃げて行った。



「でも…」

「ご飯にはお母さんの汚いものがいっぱい詰まってる!!」

「落ち着いて…ねえ…下げるから」

「触らないでよ!!」



自分のカナキリ声で、家が揺れた。


沙奈が怒鳴った。

「お姉ちゃんのバカ!!」

「いいから!沙奈!」

お母さんが止める。


沙奈がかまわず言った。

「お姉ちゃんはそうやって!病気で人を操ろうとしてる!お姉ちゃんはワガママなんだよ!」

「沙奈!止めて!」

「わ、私は沖縄に行きたかったのに!結局お姉ちゃんのせいで行けなくなったし!本当はゴールデンレトリバーが良かったのに、お姉ちゃんが見てたからダックスになったんじゃん!!名前だってマックスにしたかったのに、勝手にチャイに決めちゃってさ!」

「止めなさい!!上に行ってなさい!」


頭に血が上った。


「ワ、ワガママなんて…ワガママなんて言われたくない!!」

「ワガママなんだよ!頑固だし!!」

「止めなさいって!」

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