Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「休み時間まで待て!今はそんな時間じゃないんだ!」

先生がますます怒る。


「先生、香田さんを見て。あの心配そうな瞳…あれこそが人間のあるべき反応…」

「話をそらすな!」


突然、桜井くんが言った。

「香田さん!」

「は、はい」

「どう思いますか?俺のこの気持ち。受け止めて下さい!好きっす!」


どっと笑いが起きた。


ついていけない…。


「委員長!顔、真っ赤!」



そう。

私は学級委員長になってしまった。


本当にテキトーな感じで、

「香田さんがいいと思いまーす」

「さんせー!」


これで決まりだった。


なんでこんなことに…。

しかも副委員長って人が、極度のスポーツオタクで…。


「中牧!お前、どさくさに紛れて何を見てる!」

ほら、さっそく怒られてる。


「世界バレー」

「うっそ!今、どっち勝ってる?」

「日本~!」

「いい加減にしろっっ!!」


なんなの…!?

私、いつからラテンの国に来ちゃったの!?
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