Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

真剣

打ち上げの会場は、国道沿いのカラオケボックスだった。


あれ?


「ユリエちゃんがいない…」


女子部員はいるのに、ユリエちゃんだけがいない。


戸惑っている私に、女子部員の一人が教えてくれた。

「ユリエね、惨敗したから、超コーチに怒られちゃって」

「ええ!?」

「先に帰っちゃった」



ど、どうしよう?

ユリエちゃん、大丈夫かな?



とりあえずメールしてみる。


―大丈夫?―


返事がこない…


みんな店に入って行く。




「入らないの?」

矢倉くんに聞かれた。


「あ、ユリエちゃんが帰っちゃったみたいで…」



矢倉くんが顔を伏せた。

「そういう時は、そっとしといた方がいいよ」
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