Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
先輩の一人が言った。

「とにかく、縫うんなら衣装見せてあげたら?」

「そうですね」


小島ちゃんが、部屋につながっている準備室のドアを開けた。


息を飲んだ。


「すごいっっ!!」

「分かるでしょ!?一人で縫えるわけないでしょ!?」

「私らも手伝ってるじゃーん」

「それで本番中に破けて私のブラ丸見えですよ!」

「セクシィ!ふぅ~っ!」

「せめて反省してくださいよっ!」



『ヅカ』って、宝塚のことだってようやく分かった。

衣装がだって…ドレスしかない。


「わ、わ、私…こんな…すごすぎるよ」

「大丈夫!今度の公演は予算ないから、古着に装飾するだけだし」

「香田さん、どれが好き?」

「アタシが選ぶ!」

「待て!だったら私が選ぶ!」

「練習して~~!」



部長は誰なんだろう…?

小島ちゃんじゃないよね…
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