平均女子だって恋をする

教室までの道のりはすぐだが、少しでも隣を歩けることがドキドキするけど、なんだかうれしい。
教室がもっと遠ければいいのに…。

心なしかゆっくりとした足どりで歩いてる気がする。

私のペースに合わせてくれてるのかな?



「そういえば、是永くんってどこ中出身なの?清南高までちょっと遠いよね?」

「オレ、中学までは埼玉にいたんだよ。高校からこっちに引っ越してきたんだ」


なるほど。あんなに注目されていたのは、みんな是永くんの情報を知らないから知りたがっていたのだ。
主に女子だが。


「あっ、そうだったんだー。
友達と離れちゃうのは寂しいね…。
でも、最近はクラスの人ともしゃべってるし、高校慣れてきたんじゃない?」


そう、イケメンになってからすぐ、怖いイメージが払拭されたせいか、男女共に話しかけられている所を見かけるようになった。


「そうそう!やっぱ最初の格好はまずかったらしいよ。
『あいつヤベーって思った』って言われたっ!」

ヤンキーに思われてたのが面白かったのか、是永くんはクスクスと笑っている。


是永くんって、結構 笑うんだよね。
笑顔が可愛いなぁ…。

つられてわたしもニコッと笑顔になりながら、一緒に教室へと戻った。



< 23 / 64 >

この作品をシェア

pagetop