平均女子だって恋をする
走った先に待ち受けているもの


清南高校では、一年・二年合同のマラソン大会がある。

最寄り駅の鶴峰駅から徒歩25分。
畑が広がるのどかな場所に立地されているからなのだろうか?

男子は8キロ、女子は5キロの学校周辺の道路を走るそうだ。

そんなイベントの存在を入学してから知った。知っていれば他校を受験していたと断言できるほどわたしはマラソンが大嫌いだ。あぁ、最悪…。


今日の体育の授業はそのマラソン大会の練習として、コースを覚える為に一周2.5キロを走る予定だ。



「佐恵は先に走っていいからね。わたしに合わせようとしないで、自分のペースで走ってねっ」


わかっているとは思うが、わたしの運動神経は並外れてヒドイのだ。
わたしのペースで走ろうとすれば共倒れ間違いない。


「うーん…、一緒に走ろうと思ったのに。まぁ、アリサがそう言うのなら…」


「ありがとう。ゴールで待っててね」



嫌なことは重なるもので、苦手な体育の授業の、これまた苦手なマラソンで、今日は男子の体育も同じくマラソンだなんて!!
コースは同じだから、わたしのヒドイ姿を男子にも見られるなんて嫌でしょうがない。
是永くんには絶対見られたくないのに…。


< 53 / 64 >

この作品をシェア

pagetop