逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
「今日部活でクッキー作ったんだ~。
どう?」


「…美味しい」


「よかったあ」



返事を聞いて喜ぶ真尋とは対称的に、あたしはだんだんと顔が熱くなっていた。
突然こんなことされたらドキドキするし恥ずかしい。



「ば、馬鹿!」


「ええ!?なんで怒ってるんですか!?」


「普通にくれればいいじゃないか!
な、なんでそう…」



思い切り噛みまくる。
これじゃあ動揺してるのわかっちゃうじゃないか!



「だって樹さんの反応気になったから…
もしかして、照れてる?」


「て、照れてなんか…!」


「へえ?」



悪戯な笑みを浮かべる真尋

真尋ってこんなだったっけ?
だめだ、完全に真尋のペースに乗せられている…
そりゃまあ嬉しかったけど…



「そっかあ、じゃあまたやるね」


「は?!なんで」


「だって嬉しかったんでしょ?」


「別に嬉しくなんか…」


「顔に出てるよ?」


「…」


トドメを刺された。
真尋は無駄に鋭いところがあって困る。


というかあたしはこんな事何度もされたら心臓がいくつあっても足りない

…気がする。



「とにかく、こんなこと別にしなくていい」



えー、と真尋は口を尖らせていて
これでは完全に男女逆転だなと思う。

真尋はあたしより女の子らしい。
なんだかもうそれでもいい気がする。

可愛らしい袋に入った残りのクッキーを貰って鞄にしまった。
後で家で食べることにしよう。

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