逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
日曜日

待ち合わせは10時に水族館の最寄り駅

通りすがりの女の子がこちらを見ながらヒソヒソと話す声が聞こえる。



「ねえ、あの人めっちゃかっこよくない?!」



…それはどうも。


前日は非常に大変だった。

昨日の夜、突然亜理紗からメールが来て何かと思えば



『服装考えろよ?』



だった。

珍しく口調が荒いなあという感想を持ちながら


固まった。


亜理紗が言いたいのはつまりこう言うことだろう。



『せっかくのデートなんだから女の子らしい服着ろよ』



しかし、スカートを一着も持っていないあたしには当然女子らしい服装なんてできるわけもなく途方に暮れた。


結局七分丈のワイシャツに前開きのベスト、皮ひものネックレス
怪我をしていることもあってジーパンといった
到底女子には見えないであろう格好だった。


そりゃあ髪が長かったり顔が女の子らしい子が着てたら女の子に見えるけれども…

そこはもう諦めるしかない。


まあ真尋があたしより女の子みたいだし釣り合いは取れているだろう。

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