美女と不細工
プロローグ 俺があの女と出会った日


 高校入学するのが危ないくらいのギリギリの成績だった俺はこの辺りで一番頭の出来がよくない私立高校に受験を決めた。
 東洋高校。
 選抜で面接と普通のペーパーテストで採点するその試験は明らかにバカにするような内容だ。
 
 英語なんか全部4択。

 バカでもよっぽど運がない限り通る。
 ふざけてんのか。
 ま、そんな試験で危うい俺が悪いんだけどな。

 とまあそんな話は置いといてそろそろ本題に移ろうではないか。
 合否を気にしながら電車を待つ俺の息は真っ白だった。
「うーさぶ」
 体を震わせながら時刻表を……クソあと10分もあるのかよ。
 何もすることがないのだがふと視線が気になった。
「なんだコレ?」
 なんつーか……男が全員ある一定の方向を向いていた。
 東洋は男子校だから試験合否を見るやつは当然男ばっかりなんだが、って、一般男子の男もほとんどそっちを向いてたね。
 異様というか凄いというか……想像してくれたまえこの状況を。すごかったぞー。

 で、まぁ気になった俺はその方向を向いてみたわけよ。

 何があるのかなって。




 第一印象。



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