Fighting fantasia
ユピテルはいつも思っていた。

何故こんな惑星で細々と暮らしていなければならない?

決して我らは弱い種族ではない。

寧ろ宇宙全土に暮らす異星人の中でも、上位に位置する戦闘力を持つ筈だ。

なのに先祖からの平和主義を貫くあまり、いつまで経っても他の異星人達に見下されながら生き続けなければならない。

そんな生活に嫌気が差し、たった一人で武者修行の旅に出て、その先で戦闘ジャケットを身に付けた、ある一族の戦士と出会った。

ジュピターと名乗るその戦士は、腕に覚えのあったユピテルに勝負を挑まれても楽しげに戦い、まるで踊るようにユピテルを倒した。

そしてあろう事か、叩きのめしたユピテルにトドメも刺さずに立ち去ろうとする。

ジュピターは言った。

『無駄な殺しなんかしたくねぇ。力比べの為の戦いなら、いつでも受けてやる』

無駄。

ジュピターは、ユピテルの誇りをかけた戦いを、『無駄』と称したのだ。

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