何も知らない女の子と知っている男の子

｢おはよっ、青くんっ｣






｢｢｢｢きゃああああー！！｣｣｣｣







｢青くんよーっ！！｣







｢長袖もかっこいいっ｣






どいつもこいつも邪魔だっつーの。






俺は女たちを無視して教室に入る。






｢相変わらずモテモテだねー｣







｢あ？｣






｢ご機嫌ななめ？｣






俺の前の席の熊。







｢女ってめんどくせー｣






ため息が出る。






｢羨ましいなぁー、俺もそんな言葉言ってみたいぜ｣







｢あっそ｣






俺はもう、なんにも興味が無い。






｢昨日の合コンさー、なんかぐっとくる女の子いなかったなー｣






｢…｣






俺も合コンに行ったことは何度かある。






熊の誘いで。






全部、人数揃いで。






｢なあ聞いてる？｣







｢聞いてる聞いてる｣







｢棒読みだよ青ー｣