キミの首輪に、赤い糸を。
「真白...」

「...きさらぎがこんなになってるの、見たことない...っ。きっと、きっと壊れて、僕の前からいなくなる...っ」

「そんな...」


そんなことない。
そう言ってあげたかった。

だけど、そんな確証はどこにもない。
それに、真白のことも如月さんのことも、私はよく知らない。

如月さんはどうしてこんなに酔ってしまっているのか、何を思い悩んでいるのか、どうして真白に会いに来たのか。

そして、壊れるって、どういう意味なんだろう。


「和咲、助けて...僕、どうすればいいのか分かんないよ。きさらぎのこと、助けて...っ」


私にだって、分からない。

どうしてあげればいいのか。

だけど...。


「うん。大丈夫だから、泣かないで。助けるから」


今はとにかく、真白を落ち着かせてあげたい。

大丈夫だって、安心させてあげたかった。
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