キミの首輪に、赤い糸を。

「彼を、飼って頂けませんか」

次の日の朝。
私はいつも通り学校に行く用意をしていた。

いつも通り顔を洗って、トーストを食べて、歯を磨いて、制服に着替えて、家を出る時間までテレビを見る。

うわ...今日雨だ...。
天気予報で私の住んでいる地域の上に傘マークが主張している。

私は傘を持ち、家を出た。

昨日帰ってきた道を逆方向に歩く、という毎日の繰り返し。

そう言えば、この田舎町にも、一つ小さなシンボルがある。

それは、小さな石で出来た時計台。
私の身長の1.5倍くらいの本当に小さな時計台だけど、待ち合わせにはよく使われている。

私はこの時計台の前を通って唯との待ち合わせの場所に行く。

それが日課だったんだけど、今日はその時計台の数メートル前で私は足を止めた。

土砂降りの雨の中、何かが時計台に寄り添うように置いてある。

私はその何かにゆっくりと近づいた。

そして、少しずつ近づくにつれて、それがなんかのかはっきりしてきた。

それは、びしょ濡れのぐったりと時計台に寄りかかるように座りこんでいた、一人の男の子だった。
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