キミの首輪に、赤い糸を。
「ただいま」

「おかえりなさい」


家に帰ると、真白は玄関まで迎えに来てくれた。

そこまではいつもと同じだった。

だけど、真白はいつものルームウェアではなく、私服姿だった。


「真白、どこか行くの?」

「...うん。あのね、お願いがあるんだけど...」

「お願い?」


真白は私の目を真っ直ぐに見ていた。

そして、意を決したように、口を開いた。


「きさらぎのところに、連れていって」
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