瞳の奥の真実
 本当に会長らしい。

 本当は最初から許可したかったんじゃないだろうか。わざわざ水沢くんの教室まで行くなんて。

「山口さんのおかげだよ」

 私の手を握りしめたまま、にこにこと嬉しそうな水沢くんがかわいく思えた。

 でも、少し寂しかった。

 これでフェリスの練習に行く用事もなくなるんだと思った。

 これからは、私はただのフェリスファンの一人。

 嬉しそうに手を振って練習に向かう水沢くんが見えなくなるまで、寂しい顔をしないように気を付けた。

 それから文化祭まで、生徒会の私は怒涛の日々だった。

 ステージ作りや展示物の見回り、飲食物の取り扱いなどの説明会。

 文化祭までにしないといけないことが一つ一つ終わっていくと言う事は、フェリスのライブの日が近づいてきていると言う事でもある。

 それが、この忙しい日々を乗りこえるための、私の心の支えだった。
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