瞳の奥の真実
「待ってるからな」

「戻って来いよ」

 水沢くんと伊藤くんは、ほっとしたような、少し寂しげな表情を見せたが、前川くんが戻ってくることを少しも疑わなかった。

「すごいね、岡崎くん」

「何だよ急に」

「想いに、迷いがないね」

「……実は、あいつのギター聞いて、前川とセッションさせたくてたまらなくなったんだ。ツインギターで水沢の歌声を早く聞きたい」

「音楽バカ」

「よくわかってるじゃないか」

 そんなことを言ってても、その瞳はずっと前川くんを追っていた。



 ライブは、前川くんと高瀬くんのツインギターで締めくくった。

 その日のライブのCDを自費出版もした。

 そのかいあってか、フェリスは地元で結構有名なバンドへと成長していった。
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