夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
★★★★★★

愛児の性格が悪いなんて通りすがりの人には分からない。

だからレンタルショップを出て、愛児と並んで歩くのは凄く照れ臭かった。

とにかく彼は非常に整った容姿で、女性のみならず男性だってすれ違い様に眼を見張るほどだ。

そんな男と並んで歩くなんて、自らの価値を下げるに値する行為ではないだろうか。

参ったなあ。

私は困って空を仰いだ。

今夜の空は無数に輝く星が凄く綺麗で、少しだけホッとする。

あんなにうるさい会話が嘘だったように私達は無言で歩いた。

マンションまではほんの数分だけど、なんだか気まずかったから、

「星が綺麗だね」

って言ってみたら愛児は、

「なんだよ、夜の部のお見合いかよ」

という、会話を拒否したいのかイラッとする答えを返してきた。

もういいわっ!
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