夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
ダサくて女子力無いくせに、一丁前にデートなんかするんじゃねーよ!と。

外見変えても中身は変わらねーんだよ!と。

力が抜けていく気がした。

愛児を本当に意地悪な男だと思ったけど、私は何だか自分が悪いような気がした。

だって愛児は完璧な容姿だから。

私は抱き締められたまま、ポツンと呟いた。

「……外見変えても中身はダサいままだから、生意気だと思ってるんでしょ?」

愛児の腕は、解かれない。

「だから私がデートだと、ムカつくんだよね」

本当に力が入らなくなってしまい、私は小さな声しか出せなかった。

「……女子力低いのに、デートなんてあつかましいんだよね」

鼻がツンとした。
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