夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「……山城さん!……どうして!?」

山城さんは白い歯を見せてニコッと笑った。

「親友がこのマンションに住んでるんだ。あ……と、こちらは?」

山城さんが、愛児に眼を向けて少し頭を下げた。

「お隣さんです。今日から料理を教えてもらう事になって、たった今、唐揚げの仕込みが終わったんです」

愛児は、唇を引き結んで山城さんを見つめた。

山城さんは、フワリと笑った。

「乃愛ちゃんは料理苦手なの?だったら俺が教えてあげようか?これでも飲食店のオーナーだし」

「え、料理得意なんですか?」

「うん、好きなんだ。昔は自分で料理を出してたんだよ」

「へえ!そうだったんだ!」
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