愛する子

「ええ、楽しみにしてるわね」

一番厳しいのは母さんかも知れない

「もちろん、今までの子達みたいなら結婚なんて許しませんけどね??」

....やっぱり母さんが一番厳しいな

今までの子達、か

自分でいうのもあれだけど

俺は見た目も家柄もいい

だから近付いてくる女がたくさんいる

分かっているのに好きになってしまうことだってあった

その彼女たちは決まって結婚を迫り

家族に紹介をして欲しいと言ってきた

俺のことを本気で愛してくれているんじゃないか

なんて期待してしまったのだ

その期待は毎回裏切られてきたのだが

俺の家族は彼女たちが俺自身を見ていないとすぐに気付いてしまう

俺が期待してしまっていることにもだ

だから彼女たちにきつくあたる

そうすると彼女たちは怒って俺から離れていくのだ

"お金と顔しか取り柄がない"

そう言い残して
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop