驟雨







―――暗い、暗い。真っ暗な空に、雲も無い。

ボォと赤く光る満月があたりを照らす



他人の紅がついたそれをなぎ払う。
下にはその紅に染まったモノが転がっている



―――――暗い。

辺りはは真っ暗だ。同じ黒に染まってしまった眼で月を見上げた。

かすかに眼が赤く染まる。




辺りを照らす光。覚えがあるような、ないような。


・・・―――なんて、ね。



光を無くして生きてきた。

もう、求める事も、許されない。






持っていたそれを鞘にしまい、紅く染まった者達に背を向けた。






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