未来の1/fragment
EP:003 選手の片鱗
翌日 朝8:00
学校前のバス停で降りた夏海は、一人で校門を通過したところでいきなり背後から肩を組まれた。
「よっ!」
肩を組んできたのは堀澤だった。笑顔で絡んでくる堀澤に対して、夏海は素っ気ない態度を取る。
「何?」
「何じゃないだろ?」
腕を払いのけた夏海は、視線を真っ直ぐ向けて歩き続けた。
「どうしたんだよ、また何かあったのか?」
「何もないって‼︎」
腕を組む夏海を見て、どう見ても不機嫌にしか見えない。様子がおかしい夏海を堀澤は心配するが
「私はもう大丈夫だから」と言われてしまう始末。
腰に手を置き、やれやれと一度溜息をついた堀澤は夏海の後を追った。