俺様王子とメイドちゃん
プロローグ
セミの鳴き声が遠くで聞こえる――



わたしは大きなひまわり畑の中にいた。

幼いわたしよりも、背の高いひまわり。



歩いても歩いても景色は変わらなくて、

途中で幼いわたしは心細くなってあの子の名前を呼ぶ。

『みーくん、みーくん』

何度も何度も、その名前を呼ぶ。

声がかれるまでずっと、ずっと。



きっと見つけに来てくれると思いながら・・・






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