俺様王子とメイドちゃん
「やっと全教科終わったー!!」

わたしは、立ち上がって大きく背伸びをする。





「美咲~、お疲れ!」

香織が駆け寄ってきて、わたしの肩をぽん

と叩いた。


「ありがとう。香織もお疲れさま」


わたしが笑顔で答えたのを見て、香織は

安心したみたい。




「試験、大丈夫だったみたいね」

「うん、まあそれなりに」




今回のテスト、手ごたえはある。
 
自分の力を出しきれたから、後悔もない


だから、あとは結果を待つだけ・・・





「明日、結果が張り出されるみたいよ」


「えっ、そんなに早く結果が出るの?」



普通、テストの採点には3日はかかるはず

なんだけど






「西園寺さんが校長先生に頼んだらしいの

明日は、夏休み前最後の登校日でしょ?

美咲とのこと、早く決着をつけたいのかも

ね・・・」


「そうなんだ」






わたしは、ふと思った。

――もしも湊が勝っていたら、わたしに

どんな要求をしてくるんだろう?


湊のことだから、何か恐ろしいことを考え

てるよね


うう、寒気がしてきた





・・・って、湊が勝つなんて想像しちゃ

だめだっ!

自分を信じないでどうするの

 

わたしは、不安を追い払うように、自分の

頬を軽く叩いた。




絶対、大丈夫・・・だよね?






不安げなわたしを見て、香織は不思議そう

に首をかしげた。
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